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「この二人も一緒にいたわね、東十条君」
「さぁね、知らないよ」
「また嘘ついたわね」
倫子はまたも、胸ポケットに手を入れると一枚の写真を見せる。
その写真は、駅近くのバス停。
バス停に並び待っている経吾、静、太一。
「こ、これは、いつ撮ったんだよ」
「私達の警察の力を甘く見ないで、監視カメラに映っていたわ」
「俺ら三人をどうする気だ」
「そうねぇ、殺人犯の容疑でいろいろ質問することになるわ、まぁ今日のところは帰るけど」
倫子はそう言いきると、立ち上がり校長室から去っていった。
後にはほのかな香水の香りが。
上から目線でくる倫子に対して、ムッとしていた。
しかし、冷血な態度とは逆に大きな胸とムチっとしたスーツの着こなしに目を奪われていた。
「チクショウ、俺が学生証を落とさなければ」
経吾は悔しがる。
「きっと警備員に投げられた時よ」
「僕もそう思います、問題はこの後どうするか」
「太一、いい考えはあるか」
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