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蒸し暑い初夏のある日
気づくと俺は車の中で寝ていた。
そして窓を開け空気を吸う。
窓の外は建物だらけ、空気は何と無く苦かった。
俺は神崎流斗、中学二年生、
分けあって、ここ福岡県久留米市に引っ越してきた、まぁ自分で言うのも何だけどどこにでもいる中学生だ。
もともと、東京の新宿に住んでたんだけど、親の都合でこっちに引っ越してきた。
けど、今だに東京の友達と涙ながらに、別れたことを後悔している。
その証拠に俺の手には東京の友達から貰った寄せ書きを抱えている。
向こうでは、モデルの活動をしてたり、ストリートライブを
モデル仲間と渋谷でやったり、彼女とデートしたり、とにかく、何事もチャレンジが俺のモットーだった。
過去形で言ったけど、俺のチャレンジ精神はまだ衰えてはいない。
なぜなら、それが、俺が俺である証だからだ。
自己紹介はさておき、気づくと新しい俺の住む家の前に着いていた。
「流斗君、着いたよ」
車を運転していた親父の知り合いの吉野さんが額の汗をぬぐいながら俺を呼んだ。
「はーい。ありがとう吉野のおじさん、休みなのに一日潰してしまってすいません」
きちんとわびとお礼を言う。「はははは、いいんだよ。いつも君のお父さんからは職場で世話になっているからね
」
笑いながら吉野さんが言った。
すると玄関から
「流斗久しぶりね。吉野さんすいません。わざわざ、後で夫にも電話させますから」
と、俺のお袋の神崎真理が出てきた。
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