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お袋はあきれた口調で言った。
「えっ、ええええええええ!?こいつが楓!?」
俺は五年前の妹の変貌振りに腰を抜かした。
神崎楓。
俺の妹、確か近所の中学校に通う中学一年生。
五年前はぽっちゃり体系だった妹がかなり痩せていた事に驚いた。
黒い髪を長く伸ばし、伸ばした爪には色鮮やかなマニキュアをのせ。
スレンダーだけど出る所は出ている。
一番俺が驚いたのは、ぽっちゃりしていた顔が今では、引いてしまうほどの美貌に変化していた。
とにかく、美人になっていた。
すると、楓も
「えっ!ええええええええ!?この変態男が流斗お兄ちゃん!?」
俺と同じリアクションを取った。
「嘘だろう!何でこんなに美人になってんだよ」
「うっさいわえ!あんたこそ死んだんじゃなかったの」
「はぁ?なにかってに殺してんだよ!」
「だって、お父さんが、死んだって。」
―親父が?
俺は親父の方を見た。
親父は目をそらした。
―クソ親父。後で説明してもらうからな!
そして俺は楓を見据え
「とにかく、俺は認めからな!だってよ・・・俺の妹がこんなに可愛いわけねーだろぉぉぉぉ!」
「なっ!あたしだってこんな変態男認めないからね!」
楓と口論していたら親父が
「いい加減にしろ!兄妹で潰し合いをするのわ!いいか、お前たちは本物の兄と妹で。俺の息子と娘だ。文句があるなら表に出ろ!」
とうとう親父の怒りが噴火した。
俺は親父の逆鱗に触れたため、これ以上の楓に対する暴言を吐くのをやめた。
楓も下を向いたまま黙り込んだ。
「まったく。これから流斗の誕生会をするのにお前達がこれじゃ盛り上がらないじゃないか。」
「えっ!?」
俺は親父の言葉にびっくりした。
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