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この施設で過ごしてもう早くも1年経った……。
これまでにいろいろな魔道書を読まされたり魔法の訓練など受けさせられたけど
それら全てを完璧にできるとアインが褒めてくれた。
今日は訓練を完璧にできたご褒美で外に連れて行ってもらってる。
49号と58号も一緒に連れて行ってと言ったらアインはしばらく考えていたけど
駄目押ししたらお願いを聞いてくれた。
「へぇー、外ってこうなってるんだな」
「いつも研究所の中だったからこう言うの新鮮かも……」
「お前らあんまり遠くに行くなよ……」
ほのぼのと草原に寝そべる49号とそこら辺の動物と戯れている58号が
それぞれ外の感想を言ってた。
アインは仕方ない、と言った感じな表情をしてるけど
内面嬉しそうだった。
「49号と58号は一度も外に出たことなかったの?」
「あー、まぁ俺らは138号と違ってあんまり出来が良くなかったからなぁ」
「私は生まれて6年、49号は生まれて7年経つけど一度も外に出たことはないわね」
生まれてからそれ程経つのに一度も外に出たことがない……?
私が作られてから1年しか経ってないけど、私達の居る研究所ってどういうところなの?
「……何かもったいないね」
「まぁ、もったいないけどこうしてお前が外に連れて行ってくれただけマシかな」
「そうね、ありがとう138号」
49号と58号はお互いの顔を見合った後笑いながら私の頭をくしゃくしゃと掻きながらそう言った。
でも、49号は力が強いから少し痛い……。
「痛いよ……49号……」
「……お前らもう戻るぞ」
アインは見かねた様子でそう言うと49号と58号は不満の声を上げてた。
私も行かないと……。
ドックン……――
「……え?」
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