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「……、……」
扉の開く音と共にアインは治療室から出てきた、だがその表情はどこともなく暗い表情であった。
「アイン!!138号はどうなった!?」
「……、……」
治療室の外で待っていた49号はアインの姿を見るなり、必死な表情で138号の事を聞いていた。
その隣に居た58号は表情は不安の色を浮かべじっとアインを見つめていた。
「まさか……、62号や42号とかと同じように死んだんじゃないよな……?」
「……大丈夫だ、138号は〝力の発現〟による死亡はしなかった」
その言葉を聞いた途端49号はその場で脱力したかのように座り込んだ。
だが、58号は未だに表情は暗い。
「……目は?138号は明らかに何も見えてなかったけど目はどうなったの?」
58号の言葉を聞いたアインは先ほどから暗かった表情をさらに暗くさせると
少しづつ語りだした。
「最善の治療はしたが、極僅かしか視力は回復しなかった」
「どれくらいまでは見えるんだ?」
「……先ほど測定したら40cmより遠くは見えないことが分かった」
その言葉を聞いた途端、49号と58号は絶句した。
当たり前だ、40cmしか見えてないなどたとえ見えていても気休め程度にしかならぬのだから。
「……、……」
殆ど何も見えない……。
本当に近くの物が見えるだけで、後は全て真っ暗……。
どうなっちゃったの?私の身体は……。
――ガチャッ……
ドアの開く音がした……。
でも、私の目では誰なのかすら分からない……。
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