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「誰……?」
「私だ、アインだ」
アイン……、声も……、アインだね……。
少し安心したかも……。
「調子はどうだ?」
アインの顔がボヤけて見えていたのがはっきりと見えた。
はっきり見える場所まで近づいてくれたみたい……。
「……殆ど見えなくて不便……、後は少し身体がだるい……」
「そうか……、その身体のだるさはただの疲労だ。少し寝ていれば元に戻る」
身体自体は大丈夫みたいなんだ……。
でも、目はもう治らないだろうけど。
「ねぇ、アイン」
「どうした?」
「少し休憩したら、目も治るかな?」
「……すまない、最善の手は尽くしたがそれ以上の視力回復は無理だ」
やっぱりね……。
さっき部屋の外でのアインの言葉がほんの少し聞こえたし……。
「そう……」
「すまない……」
「謝らないでアイン、殆ど見えないのは不便だけど死んじゃう訳じゃないんでしょ?」
「あぁ、あとこれ以上目が見えなくなる事と他に身体に異常が出ない事は保証する」
それだけなら……。
まだ、希望は持てるのかな?
「なら、少しは安心だね」
「……もう寝なさい、今は疲労が溜まりすぎている」
「うん、おやすみなさい」
「あぁ……、お休み」
目が覚めたら、49号と58号に心配かけてごめんって謝らないと……。
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