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「……、……」
あれから少し寝て、今起きて施設内を歩いてる。
やっぱり殆ど見えないせいで一歩一歩歩くのに慎重になる……。
「あ」
急に身体が傾いた。
何かに躓いたかもしれない。
「あぅっ……」
また転んだ……。
咄嗟に顔を庇ったけど、腕が痛い。
身体中もいっぱいぶつけたから痛い。
痣とかできてなければいいけど……。
「138号……!大丈夫かよ!?」
「……その声は49号……?」
49号だと思う声が前の方から聞こえてきた。
足音がこまめに聞こえてるってことは走ってこっちに向かってるのかな。
そんなこと思ってたら急に身体が浮いた感じになった。
49号が起こしてくれたみたい……。
「一人で歩き回るのは危ないだろ……。目がほとんど見えねぇってのに」
「……心配かけてごめんね……」
「別に無事なら良いんだけどさ……」
49号はため息をついたあと私の頭を撫でてくれた。
アインと違って少し乱暴だけど、それでも私は嬉しかった。
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