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ズチャッ……。
私の放った魔法で作られた氷の槍が何かにあたって鈍い音を出した。
何かすごく嫌な音だった気がするけど、何に当たったんだろ?
もっとも、今の私の目じゃ何に当たったかなんて分からないけど。
「ふむ……、こんなもんか……。アイン、MIO138号を部屋に連れて行ってやれ」
「……分かりました……」
ギギィッ……。
扉の開ける音が聞こえた。
開ける音が聞こえたということは、もう訓練は終わりなのかな?
「138号、今日はもう終わりだ。こっちにおいで」
「はーい」
アインの声だ、気のせいか何か沈んだ声だったけど。
取り敢えずアインのところに行こう。
「お疲れ様……、さぁ部屋に戻ろう」
「うん」
「ねぇアイン、今回の訓練はどうだった?」
「……ん、あぁ、上司は喜んでいたよ。魔法の威力が前と比べて遥かに上だったことにね」
「本当?……でもアインは何も言われてないの?」
「……一応少しは褒められたよ」
その言葉を聞いたとき私は心から嬉しかったのだろう。
アインが褒められた事が嬉しいのはなんでだろ?
「それじゃあ、アインの立場は大丈夫だね」
「……そう……だな……。138号のおかげだな」
「えへへ……」
アインの声が一瞬すごく沈んでた気がするけど。
アインに褒められたことに頭がいっぱいでそれ以上気にならなかった。
そんなこんな歩いてたら部屋についた。
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