The another story Mio

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聖王……。 なんだろう、この言葉を聞いた瞬間気持ちがざらついた……。 「詳しく言えば5代目聖王だな……」 「5代目……?」 「そう、今この時代に生きるこの世界の救世主とか一般的に言われてるな……」 「……聖王……」 なんだろう、この心が暖かいの……。 「……この本……貰っていい?」 「何でだい?」 「もっと、この聖王って人が知りたい……」 自分でもなんでそんな事思ったのかは知らない。 けど、知っておかないといけない気がする……。 「まぁ、元々そこにある本は君に見せる為にある物だから別にかまわないけど」 「ありがとう」 ……さっき居た場所に戻ったらじっく読もう……。 「他に何かあるの?」 「んー……、ならあとそこにある残り5冊の本を見てもらうとしようかな」 「分かった」 5冊だけならいいや……。 パラパラめくってれば文字すべて見えるし、覚えれるから。 「疲れた……」 私は部屋に戻った後すぐにベッドに横になった。 本を読むこと自体は別に疲労なんて無いけど……。 私を連れだしたあの人がよく分からない褒め言葉を聞き流すのが一番疲れた。 よく分からない理論やらなんやら言われても私には分からないって……。 「あ、そうだ」 いけない、貰った聖王に関する資料を見なくちゃ。 別に本当に重要な物なのか分からないけど。 見ておかなくちゃいけない気がする……。 そう思って私は資料の1ページ目を開いた。 そのページには5代目聖王と言われてる人の全体図が描かれてた。 銀色の鎧を纏って左手には青い刀身の長剣を持っている……。 だけど一番惜しいのは目の所が仮面で隠されてて素顔が分からなかった。 「顔が一番見たいのに……」 なんて独り言を言って見たけど。 よくよく考えたら聖王なんて敵対している人からには最優先で狙われるような人が うかつに顔を出すわけないか……。
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