第一章 結婚の条件

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  『結婚しよう。 可愛も向こうの大学に編入して一緒に向こうで、二人でがんばろう』 ―――目を閉じると鮮明に浮かんでくる。 大好きな彼・樹利からのまるで夢のようなプロポーズ。 聞こえ来るのは強い鼓動の音と、大好きな人達からの惜しみない祝福の声。 そして、そこから始まる、めくるめく甘い甘い生活……。 「……なんて。 そうは問屋が卸さないって感じね」 可愛は荷物で溢れ返り収拾がつかなくなった自分の部屋を見回し、うんざりしたように腰に手を当て息をついた。
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