第二章 NYへ

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――― ――――― ―――――――― 『病んだ大都会』 そんな風に抱いていたNYのイメージが払拭されたのは、実際にその地を訪れてからだった。 建ち並ぶ高層ビル群に、観る者を圧倒させるように光り輝くネオンはイメージそのものだが、決して下品ではない。 この街は巨大なアートのようだ。 そして悲惨な事件が起こった後だからだろうか、今のこの街はとても慈愛の心に満ちている。 秋に色付き始めているセントラルパークの紅葉を眺め、樹利はゆっくりと散歩しながら柔らかく目を細めた。
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