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「…起立、礼」
ああ、やっと終わったよ、テスト。
これでゆっくり休める。
…っと、あいつが来る前に帰るか。
あいつが来たら一緒に帰ろうだの、なんだのと煩いからな。
「東吾~」
ちっ、捕まったか。
いや、無視しよう、そうしよう。
「………」
「あの~、東吾?聞いてる?東吾」
「………」
「とうご~?」
「………チッ」
「東吾、気づいてるよね?気づいてるんだったら、一緒に帰ろうよ。
…それとも何か悪いことした?」
「単にうざったいから無視しただけだ。
一緒に帰りたいなら行ってやるよ、このクソッタレ」
「あ、ありがと…う?…?くそったれ?」
「ぼーっとしてると置いてくぞ」
「あ、ごめんごめん」
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「ねぇ東吾、これ……何?」
「知るかよ」
さて、今の状況を再確認してみよう。
目の前にいるバカ×1と魔法陣らしきもの×1
こいつ、今度は異世界の神とかに呼ばれてんのか。
テンプレートですなー、としか言いようが無い。
何にせよ、直ぐに逃げよう。
このパターンは巻き込まれるパターンだからな。
俺は普通の生活を満喫したいのだよ。
「あ、忘れ物した」
と言う事で、適当に嘘ついて逃げるか。
「え?それ嘘だよね?単に僕から逃げたいだけだよね?」
「…じゃあな」
「え!?」
よし、何も考えずに走ろう、全力疾走だ。
「…薄情者!鬼!悪魔!!人でなし!!!」
「何と言おうが、誰しも自分の身が一番大切なんですよ。
と言う事で、グッバイ」
「えー…じゃなかった!待ってええぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」
神様は俺が嫌いなんですかね…。
ま、それは置いといて、ぱっぱと逃げますかね。
「…こっちくんなああぁぁぁぁ!!!」
絶叫付きで。
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