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夜中の2時にテーブルに鏡を立てて置く。その左右にろうそくを1本ずつ、火を灯す。
杯を2つ用意、鏡の左には水、右には酒。鏡の前には自宅の西から拾った小石を2個、東から拾った小石を2個置く。
そして自分の顔が鏡の中心に映るように座る。両手を胸の前に組み、目を閉じ以下のセットを14回唱える。
呼び出したい亡くなった人の名前・その人が亡くなった年月日・そして自分の名前・今お祈りをしている住所(自宅)。
そうして目を開けると鏡にその亡くなった人が現われるという。
呼び出したい人は、本人と縁(ゆかり)がなければダメらしい。
このお祈りと言うか儀式みたいなものは学生時代、仲のいい友人から教えてもらった。
その友人に「おまえ、やったことあるの?」と聞くと「いや、ないよ。だって怖くないか?いくら会いたい人でも夜中に鏡の中に死人が出てきたら怖すぎだろ?」と返ってきた。
確かに、死んだばーちゃんや叔父さんに会いたい気持ちもあるが本当に出てきたら不気味すぎる。
俺もこのお祈りたるもの実際にやることはなかった。
それから数年後、俺はある会社の商品開発の部署で忙しい日々を送っていた。
俺の入社以来の最大のプロジェクトを進行させていたときのこと。
提携先の担当者と慰労を兼ねて二人で飲みに行くことになった。
その担当者(Aさん)は俺より2才上のほぼ同世代。毎日、電話やミーティングをしていたがこうして外で会うのは初めてなのでとても楽しみだった。
1軒目の居酒屋では仕事の話ばかりだったが、2軒目のバーでは酒も結構入り、次第に打ち解けた趣味の話しやプライベートの話に展開していった。
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