死界の扉を開けるお祈り

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俺は絶句した。やっぱりAさんはあのお祈りをやったんだ・・・そしてその後・・・。 呆然としている俺にAさんの上司が俺に聞いてきた。 「ところでAは彼女がいたって言ってたんですか?そしてその彼女が自殺したって」 「ええそうですけど」 「それ、嘘ですね」 「は?何でですか?」 「Aに彼女なんかいるわけありませんよ。彼は5年間私の下にいましたがそんな本当の彼女の話聞いたこともありません」 「本当の彼女?」 「Aは熱狂的ていうか・・・異常なまでにK・Kのファンでしてね。ご存知ですか?アイドルていうかタレントのK・K」 俺と俺の上司は曖昧にうなずいた。 「そのK・Kのことですよ。Aが言った彼女っていうのは」 「・・・」 「ほらK・Kって自殺したでしょ・・・確か2~3年前に。何でも警察の話によるとAの部屋中K・Kのポスターだらけだったらしいですよ・・・しかも・・・」 そこから先の話は俺は上の空だったから覚えていない。あることを思い出していたからだ。 それはあのお祈りを教えてくれた友人の言葉だ。 「とにかくその呼び出したい人は身内とか友人とか恋人とかさ、実際にかかわった人じゃなきゃいけないらしい」 「それ以外だったら?」 「それやったらやばいらしいよ」 あれから数年。あのお祈りでAさんを呼び出したい行動にかられる。そしてあの夜何があったか聞いてみたい。 でもできない。こわい。やりたくない。 以下Aさんの遺書(あの夜のメモ、走り書きなので読みづらくこちらの主観も入る)の抜粋 “やっと会えてうれしい、本当に来てくれたんだ、これからずっと一緒にいれるね、でもちょっとKちゃんさ、顔違うね、何で、何でさ、目の玉とびだしてるの?”
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