終わりには常に始まりが憑いている

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その日からは周りの目が一気に変わった。 両親はまるで親の敵見るかの様だった。親戚や学校の友達は、成績優秀な妹を犠牲にして生き残ったクズを見るかのような。根も歯も無い噂を建てられる事もあった。実は計画的な殺人だったとか、そんな感じだ。 虐められる事もあった。自分で作った下手糞な弁当を溝に捨てられ犬食いさせられたりだとか、学校中一致団結しての無視だとか、財布を盗られたりだとか、教科書を燃やされたりだとか。挙げればきりが無い。 だけど、それでも俺はまだ、この時は歪んでなかった筈だ。こんな程度の虐め等世界中を探せば五万といる筈だ。だけどある日両親に言われた。 「いつになったら死ぬの?」 何か壊れる音がした。からだの一部分とかではなく、精神的な何かか外れる様な取れた様な。その時に感じたのはとても心地の良い物だった。まるでずっと付けていた重しが取れた様。 そして気が付くと赤一色に染まった手足の無い父と母が横になっていた。知っている、何故こうなったのか。俺がやった、俺が腕力に物を言わせ手足を引き千切り、腕で直に心臓を握り潰した。何処にこんな力が在ったのかは知らないが、恐らくはあの快感を覚えた時に何かしらの恩恵が在ったのだろう。 それから俺はもう一度あの快感を味わいたくて探した。快感を。そして気付いた。どんな時に快感を覚えるのか。それは───── ───────俺が歪んだ時
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