出発

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「お前、誰?」  俺は目の前の男を知らなかった。 「俺か? 俺は二ノ瀬 寿也(にのせ としや)って言うのさ。宜しく」 「いやいや、俺が聞きたいのは名前とかではなく、何者かって事なんだが」 「あー、そっちか。俺はちょっとイケてる普通の男子高校さ」  いや、それ答えになってねーだろ。 「逆に質問するけどさ。お前ってもしかして4時44分に駅に居たりしたか?」 「何でそれを知ってるんだ?」  そんな個人的な事まで知っているとは、こいつもしや、ストーカー的なあれか。 「お前、俺をストーカーだと思っているならそれは間違いだ」  まだ口にも出してないのに言われた。 「ここに奴らの最後の記憶は4時44分に駅にいた事なのさ」  呆れた様子で言われ、指をさした先には10人程の男女が居た。 「当然、俺の最後の記憶も4時44分の駅だ」 「第二の質問だがここはどこだ?」 「それが分かったら苦労しねーつーの」  今度は溜息を吐きながら言う二ノ瀬。 「しっかしここ、本当何処なんだろうな」  辺りをキョロキョロし始める二ノ瀬。それは俺が知りたいっつーの。 とはいえ、俺も辺りを見てみる。見た感じ古いが、列車の中といった感じだ。
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