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辺りをしばらく見ているとこの場所には場違いなテンションの声が聞こえた。
「皆さん、はっじめまして私はこの列車の管理人をしておりますカミクラさんというものです、以後お見知りおきを」
声がした方をみるとまだ七歳ぐらいの少女がメガホンを持ってそこに居た。
何でこの子は自分に『さん』づけしているんだ。
などといったどうでもいい事を考えているとある事に気がついた。
「浮い…て…る?」
それ以外表現の使用が無い。その少女は地面に足をつけていなかった。
となるとコイツは…‥。
「あの、どうして私たち、こんなところにいるんですか?」
発言したのは黒色の長髪をしている大和撫子といった感じの大人しそうな女子だった。
「あぁそんな事ですか。特にこれといった理由はありませんよ、しいて言うなら皆さんにはこれからちょっとした観光にお連れするぐらいですかねー」
俺たちのこの状況を〝そんな事〟で片付けたカミクラさんは意気揚々と俺たちに説明をした。
「くだらん。俺はそんな事をする程、暇じゃないんだ」
次に発言したのはいかにも金持ちの息子といった感じの男だ。
「残念ながらそうはいきません。この列車に乗ったら最後、終点まで行かないと〝あなた達の世界〟には帰れない仕組みになっておりますから」
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