ガラスの靴履くシンデレラ

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調べれば調べるほど、765プロというのは非常に素晴らしいプロダクションだった。 資産こそないものの、アイドルやプロデューサーがどんな小さい仕事でも本気で取り組み、 まなに、一致団結してのし上がったのだ。 金の力でなんとでもできると思っていたオレには、衝撃的で感動的なことだった。 それからオレは、765のユニットの竜宮小町に対抗するべく作られた(黒井社長は否定するけど)ユニット 『Project faily』のプロデューサーになったのだ。 しかし、当時は大変だった。 「プロデューサー、美希なら1人で大丈夫って思うな!」 「自分、今まで通り一人で大丈夫さー!」 「プロデューサー殿、いえ、なんでもありません」 三人とも明後日の方向を向いていた。 更にそれを見て彼女達を見下したオレがなにより一番最低だったことに、この時ちっとも気づかなかった。
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