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Project faily結成から数日。
レッスンを重ねなんとか765プロに勝とうと意気込んだオレはついに、彼女達のフラストレーションを爆発させてしまった。
それはあるレッスンのことだった。
「なんだなんだ、そんなんじゃ765プロには勝てないぞ!」
手を叩きながらレッスンを中断させてたオレ。
すると、美希が
「ねぇプロデューサー、美希達は765プロに勝てなきゃダメなの?」
と、悲しくつぶやいた。
「な、どうした美希!トップアイドルになるってことはそういうことだろ?」
「だったら自分は1人でレッスンした方がいいって思うぞ」
「何を言ってるんだ響、団結力こそ最大の武器、だから三人で集まったんじゃないか!」
「プ..プロデューサー、それ本気で言ってるの?」
「当然だ、三人ならできる!」
オレは勇気づけたつもりで言ったものの、三人は一気に意気消沈した。
「プロデューサー殿、その今のはわたくしでも少々言葉がすぎると...」
珍しく貴音までが反論しだした。
「ねぇプロデューサー、美希もうアイドル辞めるね、バイバイ」
「こら美希どこに...」
「プロデューサー、自分本当は最初ユニット組んで、プロデューサーついて少し嬉しかった」
「ひ...響?」
「でもこんなの違う!自分、もう誰にも頼らない!!」
「待て、響、そんな」
次々と稽古場から出ていく彼女達をオレは止められなかった。
「プロデューサー殿?」
「なんだ、貴音、お前も」
「プロデューサー殿は何をそんなに焦ってらっしゃるのですか?」
「え?」
「今の美希と響が言ったこと、何か思わなかったのですか?」
貴音は心配するように、諭すようにオレに問いかけた。
団結させてたいのは、765プロに勝ちたいのはなんのためだ?
何故オレは、彼女達をプロデュースしようとした?
「...わからない」
「そうですか、残念です」
そう言って出て行こうとする貴音。
もう何もかもダメだと思った。
「プロデューサー殿、最後に一つ」
「...なんだ?」
「わたくし達は、いえ、これはトップシークレット、プロデューサー殿ならきっと気づけることです」
そう言って彼女も出て行ってしまった。
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