武瑠

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…眩しいな…。朝か…。 まだ眠いなぁ…。 目ェ開けたらすぐそこに、楸の顔があった。 「!!!」 何で…? あ…。せや。昨日、楸が泣き止むん待ってたら、そのまま寝てもたから、ベッドに寝かせたんやった。 部屋まで運んでも良かったんやけど、気持ち良さそうに寝とったし、途中で起こしてもたら、アカンなぁ…って思って。 楸をベッドに寝かせた後、俺もベッドに入って、楸の寝顔見とったら…知らん間に寝てたんやな…。 …楸の寝顔、可愛いなぁ…。 楸を起こさん様にベッドから降りて、携帯持ってまたベッドに戻った。 …で………。 カシャッ 寝顔写メ頂きました。 …って、何しとんねん、俺…。変態か。 …でも、保存してもた。 よし、楸フォルダ作って、ロック掛けといたろ。 …アカン、俺変態や…。 俺は肩落として溜息吐いた。自分の気持ちが落ちた所為も有って、元々静かやった部屋が余計静かになった気ィした。 それと同時に部屋の外で何か音が聞こえた。 ふと携帯の時間見た。 …あ。そろそろ春兄が起こしに来る時間や。 …マズイな。どないしよう…。 考えんのも束の間。 俺は掛け布団を持ってベッド降りて、携帯机の上置いてから、床の上に寝転んで、布団被った。 あたかも、最初から雑魚寝してたみたいに。…嫌な奴やな、俺。 今日は自己嫌悪の日か…。 春兄のものと思われる足音が、俺の部屋の前で止まった。 来る…。 「武瑠ー。起き…ぅおへ?」 春兄が変な声出した。笑ってまいそうやけど、我慢…。 俺は今寝てるんやから…。 でも、春兄がびっくりすんのも当たり前やな。 俺の部屋に、妹が寝てるんやから。 …って事は…。 あ、俺、春兄にド突き回されるんちゃうんか…? さようなら、皆さん…。 「武瑠。朝だぞー。」 春兄に肩揺すられる。…起きて大丈夫やろか…。 いや、起きてちゃんと謝ったら…許してくれるかな…。 何もしてへんし…。いや、やろうとして、未遂に終わったし。 とりあえず俺は伸びして眠そうに目ェ擦ってみる。 「おはよー!」 「…おはよう…。」 春兄はいつも通りの優しい笑顔。 でも、何か怖い……。 「ごめんね、武瑠。楸がベッド占領しちゃったみたいで…。」 ほれ見ろ。俺終わっ…ん? 怒られるどころか、何か、申し訳なさそうな春兄…。 そうなるんか……。
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