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こんにちは。
私は、緑風 楸[みどりかぜ しゅう]と言います。
腰までの長い緑髪を高い位置でポニーテールにしている、ただの高校生の女の子です。
え?可愛いかそうじゃないかって?
…それは貴方の判断にお任せします。
授業が終わって、ホームルームも終わって、やっと放課後。
高等部生活始まってまだ数日しか経ってないけど、早くも授業疲れが出ている。
私は軽く溜息を吐いて、帰る準備をしながら携帯をチェックした。
受信メール 1件
(まさか……!)
急いでそのメールを開いた。
From:武瑠[たける]くん
件名:お疲れ
本文:授業終わった。迎えに行くからo(^-^)o
(うわあぁぁ!!!!)
受信時間は今から15分程前。
多分もう着いてる!きっと大変な事になってる!
そう思うと私は声には出さず、胸中で悲鳴をあげた。
「楸ー!」
あぁ、こんな時に声を掛けて来る友達…。何てタイミングなの…。
「今日ちょっと遊んで帰らない?」
「ご、ごめん…今日は無理なの」
私の返事に友達はにんまりとちょっと怖い笑みを浮かべる。
「解った。また彼氏ね?」
「う、うん。多分もう来てると思う…。また今度誘って。」
「仕方ないなぁ。じゃあ、また今度ね。」
友達は軽く手を振って教室を去って行った。
私も急いで準備を済ませて鞄を持ち、体育の授業の時に出そうよと言う程の本気の走りで校門へ向かった。
…途中で先生に廊下を走るなと言われたけど、ごめんなさい。無視します。全力で。
靴を履き替えて漸く校門へ…。
あぁ、出来てるよ、人集り…武瑠くんの周りに…。
此処から校門までは斜面になってるからすぐに武瑠くんの姿は見付けられた。
沢山の人に囲まれて、武瑠くんは凄く嫌そうな顔してる。
武瑠くんは、光に当たると深い青色が見える腰までの長い黒髪を首後ろでポニーテールにしている。
目は髪と同じく黒い。
髪と目の黒さが肌の白さを引き立ててる様に思える。
背はそれなりに高いけど、体格はかなり華奢。
おかげで喋るまで男の子だと気付かれ無い事もしばしば…。
それが私服の時でも、制服の時でも。
制服の時ぐらいは解ってあげて欲しいな。
武瑠くんが通ってる学校、男子校だから…。
しかし、こんな綺麗な子が…それも別の学校の生徒が居たら…声掛けちゃうよね、気になるし。
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