169人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
そこには拳を握ったルシファーが、ニヤニヤしながら浮いていた。
「何の……つもりだ!!」
体のバランスを戻し頭は抑えたまま、涙目でルシファーをキッと睨む我門。
対してルシファーは、さも平然な爽やかな顔で、
「何って……これで分かっただろ?俺はお前に触れたし、お前は痛みを感じた。つまりこれは夢じゃねぇって事♪」
「だからって……いきなり殴る事ないだろ!!」
「まぁいいじゃん。結果オーライって事で」
睨みながら怒鳴る我門に、ひらひらと手を振りいなすルシファー。
なかなかのコンビネーションである。
今にも襲いかかりそうな我門に満足しながら、ルシファーは腕についた腕時計に、何気なく目をやり、
「うおっ!?やべぇ!呑気に弄ってる場合じゃねぇ!!」
そして、我門宅に来て一番の大きな声、余裕なさげな焦った声をあげた。
これには我門も思わず訝しげに首を傾げた。
「時間がやべぇんだって!今から言う事、良く聞けよ!!」
腕時計を指さしながら、さっきとはうって変わって、取り乱すルシファー。
「あ、あぁ……」
その必死さに、我門は思わずコクンと頷く。
「えっと、どこまで話したっけ?……あぁそうだ!えっと、お前は俺に選ばれたから、戦ってもらうんだけど……七つの大罪って知ってるよな?」
「まぁ、常識程度にはな」
いつからか拳を収め、割と真面目に頷く我門に、ルシファーは「よし」と言って続ける。
最初のコメントを投稿しよう!