169人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
――PM9:45、夜の街 朱雀我門――
「…で、その集まる場所って言うのは何処なんだ?」
家の明かりは消え、街灯だけが光る薄暗い夜道に、漆黒の2つの影。
我門とルシファーは罪の集まる場所に向け、歩いていた。
「ん?別に普通の家だぜ。ま、家ってか洋館に近いかもな」
漆黒の翼を広げ、ふわふわと低い位置を飛び、後頭部で手を組みながら、ルシファーは答えた。
「……さっきから気になってるんだが」
「何だ?」
「お前は周りの人間には見えていないんだな?」
「ケケケッ!そりゃあ当たり前だろ!?見えてたら大問題だっての」
「だ、だが今日のニュースで悪魔を見たってやってたぞ!!」
馬鹿にしたようにゲラゲラ笑うルシファーに、我門は弁解するように言い返した。
するとルシファーは溜め息をつき、
「悪魔の中にも馬鹿な奴がいるってことだな」
と肩をすくめながら答えた。
最初のコメントを投稿しよう!