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我門が、思わず屋敷に見とれていると、
「ほら、突っ立ってないで早く入るぞ」
いつの間にか、屋敷の扉の前に立っていたルシファーに促され、我門は扉に近づき、手をかけた。
ぎぃ……と音を立てて、重い扉が開く。
――玄関だけで、外装に劣らないくらい立派だ。
入口だけで広い内装は、横や奥に幾つもの部屋に繋がっていて、真ん中辺りに大きな螺旋階段がある。
上には大きなシャンデリア……
これが格差社会というやつか…
我門が最近習った社会の授業を思い出し、その場に立ち尽くしていると、大人っぽい女の人が螺旋階段を降りてきた。
「貴方が”傲慢”ね。ようこそ。待ってたわ」
女の人は微笑むと、「こっちよ」と、奥の部屋に我門とルシファーを案内した。
言われるがままに、無言で2人は着いて行く。
奥のラウンジに着くとそこには、女の人を合わせて6人の人間と悪魔がいた。
「おぉ~皆そろってんな♪」
後ろからケケケっと、面白そうにルシファーが笑った。
「貴様で全員そろったな。貴様はそこに座れ」
2人に気づいた、1人の悪魔が我門に声を掛けた。
言われるがままに席に着くと、我門はざーっとあたりを見まわした。
自分と同じ年くらいの人間が6人。
威圧するような、気を放っている悪魔が6人。
……此処に来て、悪魔の存在を認めざるをえない気がする。
我門は思った。
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