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人間が大きな机を囲むように、円状に並んだ椅子に腰をかけ、
その後ろに、それぞれパートナーとなる悪魔が浮いている。
ある人はおやつを食べていたり、ある人はゲームをやっていたりと割と好き放題やっている。
しかし、誰も口を開かず、ピンと張り詰めたような緊張感と静寂に包まれている。
―――数秒後、先程我門に声を掛けた悪魔が、静寂を破った。
「……聞きたい事は山ほどあると思うが、先ずは自己紹介だな」
悪魔はそう言うと、自分の前に座っている人間に紹介を促した。
恐らく、その悪魔に選ばれたであろうその人間は、軽く頷くと席を立った。
黒が主だが、少し赤が混じった短髪で、がっしりとした体格。
見た目は完全に不良っぽい。
しかし、そのがっしりとした体格故に、怖い体育会系…といった感じだ。
「俺は極炎狼牙(ゴクエンロウガ)、憤怒の悪魔――サタンのパートナーだ。宜しく頼む!!」
見た目通り、熱く豪快に挨拶すると席に着いた。
何に満足したのか「うむ」と一人頷いている。
すると、次はさっきの悪魔が挨拶する。
「我(ワタシ)は憤怒の悪魔、サタン。狼牙のパートナーだ」
燃えるような真っ赤なロングストレートの髪に、2本角が生えている。
服はマントを羽織っており、翼は髪に劣らないくらい真っ赤だ。
あのチャラチャラルシファーに比べたら、クールで真面目で常識人っぽそうな悪魔だな。
良かったと安堵の溜息を漏らす我門。
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