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――なんか、個性的なやつばかりだな。
自分の事は棚にあげて、我門はそう思った。
「じゃあ次、僕いきますね」
この中で一番大人っぽく、唯一常識人の可能性がありそうな男が席を立った。
「僕は凍蠍紫怨(シカツシオン)と申します。色欲の悪魔、アスモのパートナーです。皆さんお願いしますね」
藍色の腰まである長髪を、後ろでしばっており、色欲というに相応しい、そんな色気を溢れさせている。
紫怨と名乗ったその男は、微笑みながらそう言い、軽くお辞儀をする。
……しかしその笑みには、何か不気味なものが感じられた。
よし。いざって時以外は、あまり関わらないでおこう。
我門は自分で下した判断に、妥当だなと頷いた。
そんな我門の印象など知らず、紫怨が席に着くと、後ろの悪魔が挨拶した。
「私が紫怨のパートナー、アスモディウスよ。勿論、色欲の悪魔よ。皆宜しくね」
「ふふふ…」と、アスモディウスは微笑んだ。
うねうねとくねった長い紫の髪。
綺麗なお姉さんという感じだ。
――そして、悪魔の中で唯一の女性である。
アスモディウスも紫怨に劣らない、色気を溢れさせている。
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