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「よーし!じゃあ次、行きまーす!!」
陽気な声と共に、1人の少年が席を立った。
「えー、俺は狐火海叶(キツネビカイト)!!強欲のマンモンのパートナー!!皆のお兄さんって事で♪皆仲良くしてね~」
黒色のショートの髪に優しそうな顔立ち。
人当たりのよさそうで、何処か天然そうな感じだ。
……少しTPOが合ってなく空回りしていて、頼れそうな感じは皆無だが。
そんな海叶はニコニコと手を振りながら挨拶した。
「うむ。では、最後はルシファー達だな」
司会を務めていたサタンが、海叶が席に着くのを確認すると、1人頷き我門の方を見る。
我門が挨拶するかと腰を上げかけた時、「ちょっと待てぇぇぇ!!」と海叶が座った後ろから、制止がかかった。
「俺の事、忘れてるだろうが!!おい、サタン!てめぇ、何してくれてんだよ!」
「おぉ、悪いな。普通に忘れていた、普通に」
「2回もリピートすんじゃねぇ!しかも普通に謝んな!!てめぇ、まじでぶっ殺すぞ!!」
海叶の後ろに浮いており、存在を忘れられていた可哀想な悪魔が、今にもサタンにとびかかりそうな勢いでまくし立てた。
金色に輝く短髪に、チャラチャラした格好。
如何にも、不良です感を漂わせている。
――これは、ルシファーより重症だな……
我門はルシファーの方をちらっと見て、2人を比較し、不良悪魔に冷ややかな視線を浴びせた。
しかし、不良悪魔はそんな視線には一向に気づかず、自己紹介を始めた。
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