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『俺が持つよ。早川は授業に戻れ』
『…はい』
少し不満げな顔で、彰に荷物を渡して早川君は教室に帰るために背中を向ける。
『…?』
…が、早川君がふいに振り返った。
『…お大事に』
あ、それを言うためにわざわざ振り返ったのか。
『ありがと』
あたしが力なく笑うと、早川君はニコッと笑って教室に戻って行った。
『…熱、大丈夫か?』
早川君がいなくなってから、彰の車に向かう。
彰が、心配そうに顔を覗き込んできた。
…近い。
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