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『珍しいね。雫、いっつも断るのに』
『…まあ』
曖昧に答える。
もう…どうでも良かった。
彰は、もう叶わない。
諦めるしかないんだ。
なかば、ヤケクソっていうのもある。
『加藤健也、結構モテるっぽいよ。三組のムードメーカー的存在』
『ふぅん…アドレス、教えてもいいよ』
『え、マジ!?』
あたしが言うと、驚いたように優輝が声をあげた。
『雫もやっと女になるのか~』
『いや、前から女だから』
恋バナとか普段しないから、優輝は楽しそう。
…恋はしてる。
けど、優輝にも話せない。
話したらきっと、ひくから。
先生に恋なんて、馬鹿みたいって言われるから。
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