俺に名前があるように…

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今日は異常に疲れていた。 この前の出来事があまりにも唐突すぎたからだ。 「柿崎くん。」 「え?なんだ?」 鳴海が口を小さく開き、自慢のいい声で尋ねる。 「最近ね、霧島くんが変なの…。 他クラスだからよくわかんないけど、荒れてるらしいの。」 「キリシマ?桐島直哉か?」 「そっちじゃなくて。」 「ああ。霧島連太ね。」 霧島連太は、1-1のリーダー的存在だった。しかし、荒れてるわけではなかった。 「何でだと思う?」 「さあなぁ。アイツの考えなんてよく分からん。」 「そうよねぇ…。でも一つわかるのが、人の名前をバカにしてるらしいのよ。」 「…名前?」 ゆっくりと鳴海の方を向いた。
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