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もしかしたら、バカにされてるのは佐藤かもしれない。好未はそう思っていた。
鳴海は立ち上がって、どこかへ行こうとした。鳴海の体がぐらつく
「おい佐藤!佐藤!どしたんだよ!」
鳴海が目を覚ましたとき、目の前には見慣れない天井が広がっていた。
「ここは…保健室か。」
場所の特定が完了し、落ち着くことが出来た鳴海。
好未は、1-1の教室へ向かった。 前の授業が体育だったらしく、たまたま霧島しかいなかった。好未はずかずかと入りこみ、
「放課後、技術室前の武道場入口に来い。話がある。」
「なんだ?別にてめえには何もしてねぇだろ」
えらく口調が強い。いつもなら無い、独特のオーラが出ていた。
少し前に、好未は鳴海を背負って保健室へ急いだ。保健室の先生に何でこうなったかを聞いてきた。
「精神的に病んでるわね…。おそらく最近、何かイジメにあっただとか、そういう線が1番有りうるの。」
そこで好未はあえてなにも言わなかった。言いたいことは全部、霧島にぶつけてやるつもりだった。
放課後。
「なあ、何でもなかったら悪いんだけどさ、お前が人の名前をバカにしてるって聞いたんだけど。ほんとか?」
「今頃隠すこともねーし。ぶっちゃけいうとそうだ。バカにした。」
これがわれても、相手は動じないことまでは分かっていた。問題はこの後だ。
「お前がバカにしたのってさ、佐藤鳴海であってるか?」
ゴクリと、唾が緊張を表していた。どう反応するか。
霧島がくちをひらいた。
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