2人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前がそれを知ってどうすんだって話だよ。」
「どうするって…オレは佐藤をバカにした理由が聞きたかっただけで…」
そこまで言いかけて、好未は早口で、顔を少し深刻にさせて聞く。
「お前、なんか隠してるだろ。」
「はあ?」
少しピクッと、霧島の眉が動いた気がした。
「何かあんなら聞いてやる。ってか、教えてくれよ。力になれるかもしれねえ。」
「アホかお前は…。何にもねーし。まずあっても話さねえだろ。」
やっぱり一筋縄じゃ無理だわな。
「いいじゃん。友達だろ?あんま話したことは無いけどさ。オレでいいなら役にたちてえんだよ!」
「…………」
霧島は何故か急に黙ってしまった。
「5日前、担任に呼び出しくらった。何かと思って行ってやった。
そしたらあの野郎…『お前の成績は落ちる一方だ。このままじゃこの学校の恥だ。恥さらしだ。キリシマはもう一人いるが、そっちは成績は学年4位だぞ。同じキリシマで、どうしてこうも差がつくのかねぇ…。』だとよ…!ふざけんじゃねえ…。オレがクラスでデカイ顔してることや、小さな問題起こしてることを言うならいい…!
そんなのはオレが悪りぃんだ。でも…勉強は…4時間もやってるんだ!毎日頑張ってることにケチつけんのは…許せねえ…!」
こんなに熱くなってる霧島を見たのは初めてだ。ぽかんと聞き入ってしまった好未は、ハッと我に帰って、ぶるんぶるんと頭を振った。
最初のコメントを投稿しよう!