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「じゃあオレが言う。」
「なに?」
「オレが話つけてくる。その先生って谷垣先生だろ?オレが話をしてどうにかする。」
「どうにかするって言ったって…っておい!待て!」
それだけ言って、好未はすたすたと行ってしまった。
「先生。お話があって参りました。」
「ああ、柿崎か。何の用だ?何か困ったことでもあったか?」
軽快な口調で話す谷垣聡司。
「いえ。いやはい。実は先生が霧島連太を呼び出した時の話何ですが…」
「ああ。霧島ね。確かに呼び出した。でもそれがどうした?」
ここから先が問題だ。谷垣聡司は学年主任だ。学年では一番逆らってはならない。この男をうまくなだめる方法が一番いいのだが…。
「その時、お前は学校の恥さらしだ、だとか…桐島直哉とは大違いだとか言ったそうじゃないですか?それは酷いと思います。」
「それをわざわざ言いに…?言っておくけど、あれは霧島の学力が少しでも上がればなと…ちょっと言ったくらいじゃ動じなさそうだしな。」
だからといって、そんなことを言って本当に…果たして良いのだろうか…。
「お前に関係あるわけでも無いだろうし。」
「お言葉ですが。その言葉は人権を無視した言動だと思います。彼の気持ちを考えたことが有りますか?彼は家で4時間も勉強に勤しんでいます。決して、努力してないわけではないんです。」
「そうか。それは初耳だ。でもそれがどうした?」
「は?」
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