誰もパーフェクトになんかなれない

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遊びに来たのは、瀬川美代と、3組の白峰有香里だった。白峰とは、微妙な間柄だった。話したことも無いし、まして、会ったことすら殆ど無い。なのに向こうは、こちらに話しかけてくる。 「うわあ。男子の部屋ってこんなんなんだ。」 (うわあ。女子の【男子の家に来た時にまず言う言葉】ってこんなんなんだ。) お互いがそれぞれの気持ちを言い合う。まあ正確には、好未は言ってないが。 「つかさ…なにしにきたわけ?」 「あ、あのね…実は、有香里が…柿崎君ち行こうって言うから。」 うっわ。出たよその思いつき。こちらの迷惑は一切考えないタイプだな。金輪際やめてほしい。 あえて口には出さなかった。(まあこれを読んでいるあなたが、これを口に出して言えるというのなら、訂正しよう) 「そうか。でも…この家で何かすることあんのか?」 「ここでしか、または、柿崎にしか言えないようなことを話そうよ。」 こうして、好未の部屋で勝手に、女子2人のガールズトークが開始されてしまった。
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