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【時刻 7:00】
ピロパローン♪
ケータイのアラームに反応して瞼が半分しか開いていない俺は手探りでケータイの行方を探す。
お、今日はちゃんと枕右側に置いてあった。
だいたい8割くらいの確率で枕の下に入り込んでいるから今日はラッキーだ。
どんな寝相をすればケータイが枕の下に入り込むのか、未だに謎が解明されないことに苛立ちを隠せない俺。
(ポ、チ…)
アラームのボタンが妙に重く感じる。そして右手の親指が汗ばんでいる。
ただの寝汗だろう。
必死に俺は言い聞かす。
やはり寝汗の様だ。他の指達も涙を流している。
今の季節は夏なのに間違えて厚掛けをかけてしまった自分を心底恨む。
気が付くと身体中がビッショリと不快な汗で包まれている。
俺はあまり気にしないことにした。
何でかって?
そんなのは簡単に答えを導き出せる。
バカだからさ。
ケータイで気温を調べる。俺の日課だ。
気温を逐一調べないと今日を無事に過ごせるか、そんな不安が俺を襲うんだ。
29度…
暑い訳だぜ。
まぁ、俺がリミットを外した時に比べたらまだまだだぜ。
何のリミットかは俺にも分からない。
俺はそんな無駄なことを考えながらケータイを閉じる。
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