3.首なしの少女の浄霊

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「う・・う・・」 初めは、声にもならなかったが、次第にその言葉が分かる様になってきた。 「ああ・・暗い・・苦しい・・」 「苦しいか?」 「苦しい!苦しい!」 千佳ちゃんが激しい口調になっている。 「平沢・・?!平沢なのか??」 校長先生が、思わず生徒の名を呼んだ・・ 「その声は先生??」 「ああ・・ここにいるよ」 「先生に会いたかった・・私・・先生の事をずっと・・」 悲しげな声になる千佳ちゃん。 「すまない・・あの時、私に、少しでも君が立ち直れるような言葉が出てくれば・・」 「いえ・・もう、済んだことです・・自ら命を絶ったのは私のせい・・」 20年前の情景を思い浮かべている校長先生と少女の霊・・ 「そなたの肉体は滅んだが、一時的に借りている体を通して、別れの言葉を言うが良い・・」 彼女が上から目線で女生徒の霊に促す。
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