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『ワク・ワク・ベイク』
自家製天然酵母のおいしいパンが売りの店だ・・
カランカラン・・
「いらっしゃいませ!」
若い夫婦で切り盛りしている小さなパン屋。
レジに奥さんらしき人、店の隣の窯に旦那さんらしき人がパンを焼いている。
お揃いのエプロンとバンダナだ。
猫が一匹、朝日の当たる椅子の上で、のんびりと寝ている・・
パンの良い香りが立ち込めている・・
「おすすめのパンは何ですか?」
先生が店の人に聞いてみる。
「どれもおすすめですが、朝はソーセージパンとか人気ですよ」
小さいながらも、品揃えは豊富のようだ。
陳列棚に、たくさんの焼きたてのパンが並んでいた。
「あ~、このレーズン・パンおいしそう!アンパンもあるんだ・・あ、クリームパンだ~!!」
彼女が甘い系統のパンに目がいく。
「ヒロシくん、何がいいかな~?」
トレーに次から次へと盛られていく「甘い」パン達・・
それを見守るだけの先生だった・・昨日の「借り」を思い出し、止めることができない・・
千佳ちゃんは、おすすめのパンを取り込んだ。
「搾りたての牛乳もありますよ」
「へえ~新鮮なんですね・・」
瞬く間に、トレーがいっぱいになっていく・・
会計を打ち終わってレジの奥さんが・・
「6300円になります!」
「ロクセン・・・」
唖然とする雨宮先生・・
さすが、「自家製焼きたてパン」だけあって、値段が高価だった・・
これが経費で落ちなければ、自腹になってしまう・・・
(この部活・・必ず認めさせるわよ~!!)
新たに決意をする、雨宮先生だった・・・
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