2.焼きたてパン屋

2/2
前へ
/14ページ
次へ
『ワク・ワク・ベイク』 自家製天然酵母のおいしいパンが売りの店だ・・ カランカラン・・ 「いらっしゃいませ!」 若い夫婦で切り盛りしている小さなパン屋。 レジに奥さんらしき人、店の隣の窯に旦那さんらしき人がパンを焼いている。 お揃いのエプロンとバンダナだ。 猫が一匹、朝日の当たる椅子の上で、のんびりと寝ている・・ パンの良い香りが立ち込めている・・ 「おすすめのパンは何ですか?」 先生が店の人に聞いてみる。 「どれもおすすめですが、朝はソーセージパンとか人気ですよ」 小さいながらも、品揃えは豊富のようだ。 陳列棚に、たくさんの焼きたてのパンが並んでいた。 「あ~、このレーズン・パンおいしそう!アンパンもあるんだ・・あ、クリームパンだ~!!」 彼女が甘い系統のパンに目がいく。 「ヒロシくん、何がいいかな~?」 トレーに次から次へと盛られていく「甘い」パン達・・ それを見守るだけの先生だった・・昨日の「借り」を思い出し、止めることができない・・ 千佳ちゃんは、おすすめのパンを取り込んだ。 「搾りたての牛乳もありますよ」 「へえ~新鮮なんですね・・」 瞬く間に、トレーがいっぱいになっていく・・ 会計を打ち終わってレジの奥さんが・・ 「6300円になります!」 「ロクセン・・・」 唖然とする雨宮先生・・ さすが、「自家製焼きたてパン」だけあって、値段が高価だった・・ これが経費で落ちなければ、自腹になってしまう・・・ (この部活・・必ず認めさせるわよ~!!) 新たに決意をする、雨宮先生だった・・・
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加