プロローグ

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風…が吹いていた 大きな木の下にたって風を感じている 目を閉じていても、光は感じる 暖かなお日さまの光 私はその中にいる 風は、私の髪をなびかせる まるで髪を解かすように 長い、髪が風に踊る 手を広げて、風を掴む 本当は掴めたりしないのだけど ふんわりと何かが触れる気がした 空気を、胸いっぱいに吸ってみる 緑の香りがする 私の隣にある子の木から漂う みずみずしい香り カサカサっと葉っぱが擦り合わさる音が耳に届いた 風が渡る音が聞こえる 髪が風とともに吹っ飛びそうなくらいの 風
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