プロローグ

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「神さまがお通りになった」 広げていた腕を縮めてぎゅっと手を握りしめる 風は止み 髪は背中を覆うように垂れる そぉっと目を開き手を開きその中をみる 「わぁ…」 思わず声が漏れた 手の中には何もなかったが 手のひらの中で ほんわりと仄かに明るい まあるいボールのようなものがあった すこぉし温かい感じがする 私はしばらくそれを見つめていた 宙に浮いているそのまあるいものは ゆっくりと上昇した ゆっくりとそれを目で追う 木の葉っぱの方へユラユラと飛んでいった
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