鎖と碇

「それはつまり、誰かに運ばれたということですよ、何かおかしな事になりましたね」「はい、いつものおかしなことが出てきました」「何だい」「台でも使ったような距離ですよ、これじゃあ」「台とは何だね」「はい、重たい本を運ぶとき使うような荷台、あるじゃないですか。あれなら血を流しながらの、その体を運ぶと・・」「するとだ、血が路地のような石の道にも付くというのかい？」「はい、荷台でも、こう両足をくくり、荷台の取っ手に引っ掛けるようにしておき、走ればそうなると思うのですが・・・」「そうか、君、じゃあ血は刺されていた部位から出ていて、足をロープか何かに縛り、荷台の押したりする時に使う取っ手に引っ掛けるように置き、運んだ。で、殺してもすぐのため血がにじみ出てきた、ということかい」「だがもう一つ、不思議な点が・・・」「手にこのような物があったのですが」「何、何。碁石のような物にコイン・・何だねこれ」一同写真のようなものだと思っていたのだが、コインとは・・・。