鎖と碇

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「まじないか、何かかね」「とにかく、現場へ向かおうではないかね」 現場へ着くと、死体はやはり布をかぶされ、横たわっていたのが運ばれはじめていた。「今日殺されたのはこの人、川崎めるさん二十四歳。近くの雑貨店勤務。いいことをしている人ではなかったか」「運ばれ方は合っているとしたら、この靴は確かに血付いてませんしね」「だと思うんだけど・・あれっ」「どうしました?」「この人どこかで・・」「雑誌とかに出ていたみたいなんです。職業を生かしてコラムなどをかいていたみたいなんですよ」「だからかー、私今月のファッションZONEでこの人の写真見ました」カバンをガサガサさせ、雑誌のページをめくり、見せる。「このころには、まだこんなことになるとは分からなかったんだろうが、気の毒に」すると実況検分から帰ってきた警官は「そんな事でもないんですよ、約数ヶ月前から人からの視線をやたら気にしたり、ストーカーされているという話も周りの人は聞いていたそうです」
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