6月15日

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雨の音で目が覚めた。 今日も雨か・・・ 別に晴れの日が特別好きってワケでもないが、こう二日もジメジメしてるのはさすがに気が滅入りそうだ。 昨日、僕が拾ってきた金属の卵のようなものは部屋の置物と化した。 今更になってだが、なんであんなものを拾ったんだろう。 正直、いらない。 まあ、今更捨てるのもなんだし・・・ 暇なので僕はテレビを点けた。 ちょうどニュースが始まる頃だ。 最近やたら周りで騒がれている事件があった。 連日ニュースはその事件で持ちきりだった。 異常な事件だし、僕もその事件には興味があった。 退屈な毎日にたまに入り込んでくる異常な出来事が僕はたまらなく好きだった。 そしてその事件も僕にとっては一種の娯楽のようなものだった。 異常性が高ければ高いほど事件というのは、おもしろいものだ。 そして第三者という立場で傍観してるというのもたまらない。 第三者にとって変わった出来事なんてものはドラマみたいなものだ。 毎日の進展が楽しみなのだ。 「今日午前10時ごろ男性の遺体が川から・・・」 また新しい犠牲者が出たらしい。 連日世間を騒がせている事件というのは、ある連続殺人事件だった。 今日見つかった遺体を合わせて、犠牲者は7人だろうか。 もしかしたらまだ見つかってないだけで他にも殺されているのかもしれない。 7人全てが同じ手口でやられているらしい。 どの死体にも首がないのだそうだ。 鋭利な刃物のようなものですぱっとやられているらしい。 他に死体には傷がなく、首を一発でハネて殺しているんだとかなんとか。 同じ手口のため、同一犯の犯行と思われているようだ。 そして、どの死体の首もまだ一つも見つかってないそうだ。 しかし何故犯人は首を切断しているのだろう。 持ちかえってそれを勲章のようにしてコレクションにでもしているのか? それは僕の知るところではない。 犯人は何も証拠を残さず、当然まだ犯人は見つかってはいない。 一週間で7人 つまり最低でも一日一人ずつ殺されているということだろうか。 「次のニュースです、新しく産まれたパンダの・・・」 僕はテレビを消した。 時計を見るともうすぐバイトの時間だった。 そろそろ家を出なければ・・・
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