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僕は公園にいた。
今日は久々に晴れていたし、何か外に出たい気分になったからだ。
僕はベンチに腰を掛け煙草に火を点けた。
真っ昼間の公園には誰もいなかった。
そこにいるのは僕一人だけだった。
時間がまるで流れてないような気分だ。
そんなことはないことは分かっているが、こうもゆったりとした気分でいるとなんだかそんな感じがする。
世間から切り離され
社会から切り離され
世界には僕しかいないような感じだ。
それはなかなか心地よいものだ。
ボーっとしていると右手に痛みを感じた。
僕の左手には一本のナイフが握られていて、右手の人さし指が少し切れていた。
僕は外出の時には護身用として小型のナイフを持ち歩いていた。
まあ、実際に使ったことなどないが。
しかし、それだけではないだろう。
僕は昔から一つの癖があった。
僕は刃物を触っていると落ち着くのだ。
変な癖だが、実際落ち着くのでなんとも言えない。
きっと無意識のうちに触っていて切れたのだろう。
こんな癖があるせいか僕の手には切り傷が多かった。
ナイフの刃を見ていると何か変な気分になるので、僕はナイフをポケットに入れた。
ふと遠くに目をやると、小学生の集団が下校するのを見かけた。
もう、そんな時間だろうか?
僕は立ち上がり、何の気なしにポケットの中のナイフを握り締めた。
なんだか背筋がぞくりとしたような気がした。
そろそろ家に帰ろう。
そうして僕は自分の家へと歩きだした。
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