6月16日

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僕は公園にいた。 今日は久々に晴れていたし、何か外に出たい気分になったからだ。 僕はベンチに腰を掛け煙草に火を点けた。 真っ昼間の公園には誰もいなかった。 そこにいるのは僕一人だけだった。 時間がまるで流れてないような気分だ。 そんなことはないことは分かっているが、こうもゆったりとした気分でいるとなんだかそんな感じがする。 世間から切り離され 社会から切り離され 世界には僕しかいないような感じだ。 それはなかなか心地よいものだ。 ボーっとしていると右手に痛みを感じた。 僕の左手には一本のナイフが握られていて、右手の人さし指が少し切れていた。 僕は外出の時には護身用として小型のナイフを持ち歩いていた。 まあ、実際に使ったことなどないが。 しかし、それだけではないだろう。 僕は昔から一つの癖があった。 僕は刃物を触っていると落ち着くのだ。 変な癖だが、実際落ち着くのでなんとも言えない。 きっと無意識のうちに触っていて切れたのだろう。 こんな癖があるせいか僕の手には切り傷が多かった。 ナイフの刃を見ていると何か変な気分になるので、僕はナイフをポケットに入れた。 ふと遠くに目をやると、小学生の集団が下校するのを見かけた。 もう、そんな時間だろうか? 僕は立ち上がり、何の気なしにポケットの中のナイフを握り締めた。 なんだか背筋がぞくりとしたような気がした。 そろそろ家に帰ろう。 そうして僕は自分の家へと歩きだした。
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