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古くから続く一族。歴代多くの有名人を輩出している。
「お嬢様、お食事の時間です」
女中が言った。
少女は手元の本から顔を上げ、女中をみた。
「……そこに置いといて」
「承知致しました」
女中は自らの下にお盆にのった食事を置いた。
少女は隙間からそれを眺め、本を閉じた。
「………お兄様はどうしているのかしら?」
少女は金色の瞳を女中に向けた。
女中は表情を変えることなく無機質の声で答えた。
「お変わりなくお過ごしでございます」
「そう……」
少女は天井の小さな窓を仰ぎ見た。
女中は一礼して立ち去る。鉄の扉が鈍い音をたてた。
しばらくして少女は溜め息をつき、立ち上がる。そして檻の向こうの食事を取る。
腕が通るほどの幅から粗末で僅かな食べ物を口に含む。
「…………」
少女は寝転がる。そして目を閉じて眠りについた。
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