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「……ふぬ。なら、お前、一度外に出てみないか?楽しいぞ」
「………は?」
青年は笑顔で何度も頷く。
「そうと決まれば行くぞっ!なんだったか、こういう時にいう言葉。そうだ、早う急げ、だ!」
「…………善は急げ?」
「そうだ。それだ!」
青年は少女を抱えると壁の窓を開けて外に跳躍した。
そして地面に着地すると次は塀を跳び越える。
「……第一関門は突破だ。よし走るぞ!此処からはお前も自分の足で走れ!」
青年は少女の手を掴むと颯爽と駆け出していく。少女は引っ張られるようにして屋敷の外を走っていく。
少女は己の手を握っている青年の後ろ姿を眺めていた。
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