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マンティコアは進行を止め苦悶の悲鳴を上げる。そこに二発目、三発目と続けて飛来してくる物体。
これも見事に命中しマンティコアの背中が抉れ血肉が飛び散る。
「すごい。飛んで来たあれって何?」
気付けば美穂と桜木もケイタイの画面を凝視していた。
「さっきのあれはイージス艦の巡航ミサイルだ」
劉が静かな声で言う。その声は真剣そのもので意識を画面に集中している。
一瞬たりとも見逃さないという気迫に似たものがこちらにも伝わってきて皆無言で戦況を見守る。
マンティコアは苦痛の叫び声を上げながら地面をのたうち回る。
これをチャンスと見た自衛隊は最大火力で一斉射撃を浴びせる。これでトドメを差そうとしているのだろう。
だがここで簡単に終わらないのが魔獣という生き物だ。
マンティコアは烈火のごとき攻撃をまともに受けながらも立ち上がり翼を大きく広げ、力の限り羽ばたかせる。
嵐のような暴風が吹き荒れ戦車や自走榴弾砲が吹き飛ばされる。AH-64アパッチは機体を回転させながら墜落し、地面に激突し爆発。
あとに残ったのは五キロ後ろに待機していた装甲車数十台と90式戦車数台のみ。
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