銀咬の狼

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暖かい太陽の光が降り注ぎ心地良い風が吹く。桜の花びらがひらひらと舞い落ちる。今年は例年より桜の開花時期が遅かったため四月の半ばを過ぎた今でも桜は咲き乱れている。 俺の名前は桐ヶ野裕二。今俺は学校へ登校中。目に掛かるか掛からないかぐらいの黒髪。微妙に高い鼻、少しテカっている唇、薄めな眉毛。少しつり目な瞳。長い睫毛。全体的に女みたいと言われる顔。 俺は昔から唇が乾燥しやすい。だからリップは必需品。今日も家を出る時塗ってきた。 さっきも言ったが今は登校中。ついでに言うと耳にイアホンを付けて音楽鑑賞しながら。イアホンの銀色の部分に光が当たりキラッと輝く。 歩道のない道をひたすら歩く。この道は最近整備されたらしく凸凹のない綺麗な道となっている。 そんでもって今は坂を登っている。なかなかなの傾斜だ。角度四十くらいあるんじゃないか。 俺はだりーなんて思いながらも坂を登る。この坂登んねーと学校に行けねーんだよな。なんで坂登んないと行けない所に学校あんのかなぁ。学校坂の下に移動できねーかな。 現実的に不可能なことを本気で思っていると坂を登りきった。目の前距離百メールぐらいの所にそれはあった。
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