銀咬の狼

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体が軽い。ふわふわする。なんだろう?この感覚。何かに包まれてるような……。 ん、なんだこれ?すげー柔らけー。ずっと触っていてーな…………。 ゴンッッ!! 「っ、いってーーーーー!!」 突然頭に激痛が走る。痛い、マジ痛い。頭、かち割れる。いや、本当にかち割れてというより頭皮が裂けて普通に血が出てんじゃないだろうな…。 俺は恐る恐る痛みのある部分を触る。よし、血は出てないみたいだな。だけどなんか頭皮が盛り上がってるな。 たん瘤出来ちまったか。まあ、あんだけの激痛だ。出来ない方がおかしいか。あとで保健室に氷もらいに行こう。 廊下に寝転がった体を起こし今どういう状況なのかを確認する。 目の前には肩にかかるぐらいの長さの黒髪の少女がぺたんと座りこんでいる。彼女は俺がよく知る人物だ。 だがなぜか日焼けというものを知らないかのような白い肌は熱があるんじゃねと思うほど紅潮している。 「…おはよう。桜木」 「お、お、おはよう……。裕二くん…………」 桜木はそれだけ言って顔を俯かせる。よく見たら耳まで真っ赤だ。 つーか心臓がヤバい。学校屈指の美少女である桜木が顔真っ赤にして瞳うるうるさせてるとか……。 めちゃくちゃ可愛い。
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