3人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が彼女、桜木絵未(さくらぎ えみ)の真っ赤な顔に見とれていると、
「そこの変態!だらしない顔して気持ち悪い」
上から罵言が降ってきた。朝から変態呼ばわりされるのはムカツク。俺は顔を上げて反射的に言葉を返す。
「誰が変態だ!何を根拠にそんなこと言ってたんだよ!相変わらず口悪いな。美穂っ」
顔を上げた先には一人の少女。高圧的な雰囲気を醸しだすつり目、高い鼻、桜木ほどではないが血色の良い白い肌、妖艶さを感じさせる紅い唇。一匹狼のような雰囲気の中に紛れる確かな色気。
そんな印象を抱かせる少女、結城美穂(ゆうき みほ)が立っていた。
美穂はつり目な瞳に怒りの炎を灯しながら俺を睨み付けている。高圧的なつり目が手伝って威圧感が半端じゃなく体に穴でも空けられそうだ。
「根拠ならあるわよ。アンタは今さっき絵未の胸を揉みしだいていた。それが私に変態と呼ばれるなによりの証拠よ!」
美穂は探偵よろしくといった感じにビシッッと人差し指を俺に突き付ける。
美穂のやつ、最近推理小説でも読みやがったのか。妙に芝居がかってんな。つーか、そんなことより………
俺が桜木のむ、む、胸を揉んだ?
無意識の内に胸を揉んでしまうぐらい俺は欲求不満だったのか!いや、そんなはずはない!………と思う。
もしかしてさっきの夢の中の柔らかい感じは桜木の胸だったのか………。桜木のあの反応からしてたぶんそうだろう。
そうか……俺は桜木の推定ぎりぎりCの胸を……。
意識のある時だったら良かった。
最初のコメントを投稿しよう!