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惚気を混ぜた声が美穂の後ろから聞こえた。
あ~そっか。最初からアイツに頼れば良かったんだ。
俺は美穂からソイツに目を向ける。
色素の薄いクリーム色の髪。眉毛が隠れるぐらいの長さ。鼻は微妙じゃなく高い。俺の身長百七十五より頭一つ分ほど高い身長。切れ長な目はちょっと怖いけどその中の瞳は優しい色をしている。
神楽坂劉(かぐらざか りょう)。美穂、桜木、俺を合わした四人のなかでのイケメン担当兼仲介役。美穂の彼氏でもある。
ついでにいうと劉は美穂のいわば安全装置的な奴だ。
今、劉が安全装置の効力を発揮したおかげでさっきまで般若の形相という言葉がピッタリな顔をしていた美穂は普通の顔に戻り頬を少し赤くさせている。
つまるところ、デレている。
良いよなー、デレた顔がはにかんだ顔とか。
俺がデレたら絶対鼻の下を伸ばした状態になるだろうし。
俺がネガティブ思考から脱出して美穂の方に目線をやるとちょうど劉が美穂の頭をよしよしみたいな感じで撫でていた。
なでなでされている美穂は気持ち良さそうに目を細めている。
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